映画『ムクウェゲ』授業内上映会@都留文科大学の感想をいただきました
都留文科大学で開講されている『地球環境・開発論』の授業内で、映画『ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』の上映会が実施され、視聴した学生の感想をいただきました。授業担当の先生には、「映画鑑賞中、学生の深呼吸の音、長いため息の音、怒りと悲しみが溢れる眼差し、一生懸命ノートを取っている姿に言葉にできない感動を覚えました。この作品の素晴らしさ、そして何よりコンゴという土地で抱えている現実の重要性を改めて感じさせられました。」との感想をいただきました。
このような上映会は全国各所で実施されており、大きな反響をいただいております。本映画は自主上映会用のDVD貸出やAmazon Primeでの視聴が可能ですので、ぜひ学生の授業や社会人の勉強会の題材などにご検討いただければと思います。
以下に許可をいただいた学生の感想文と授業風景写真を掲載いたします。
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視聴を終えて、映像やインタビューでコンゴの詳しい実際の様子を知ることができてとても良かったと感じました。「なんとなく」「ひどいことが起きている」ということは知っていましたが、被害を受けた方々のお話を聞いて、私の認識はとても甘かったことを痛感させられました。欲求のはけ口ではなくトラウマを植えつけ、支配するためにレイプが行われていること、武装勢力になりたくてなったわけではない人々がいること、幼い子供を始めとした被害者の多さ...考えさせられたことが多くありました。そして、コンゴと日本の繋がりの深さからも、私たちは決してそれらを忘れてはいけないのだと感じました。ムクウェゲさんはもちろん、この映画を製作してくださった方々に尊敬の念を抱くと共に、この情報を発信してくださったことにとても感謝しています。
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この映画を鑑賞する中、いままで私の内にあった、潜在的に「どこか無関係である」と思い目をそらし続けてきた自分、自分の思い込みだけでアフリカの現地を解釈していた自分、そして、そのような自分を容認していた自分の残酷さと、自分の傲慢さ、自分の自己中心的で傲慢な考え・思い・意識に、ハッと気づき、恐怖と恥ずかしさ、情けなさを感じると同時に、強い悔恨の念と、深い反省の念を抱きました。すべてはつながっているということ。このことを決して忘れたり、目をそらしたりしてはいけないのだということを身に染みて感じました。
遠い国の話では決してない。私の延長に起きている事実・現実であり、私が影響を及ぼし、影響を受けている関係者であるという認識を、否定・忘却することは決して許されないことであるのだということ、そして、現実に現地で起きている事実から目をそらさず直視し、考え続けること、そのために行動し続けることの重要性と当然の義務であるのだということを痛感しました。
他人のことを自分のことのように思い、考えること。ひとを思うということ。その姿勢と心をいつまでも、どこまでも持ち続けて生きる人間になりたいと思いました。大切な気づきと学び、機会をくださり、本当にありがとうございました。
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まず全体的な感想としては、「紛争の中に存在する“互いの痛み”を理解できるようになりたい」と思ったことが挙げられます。特にムクウェゲさんやパンジ病院に携わっている人々を始め、レイプ被害にあった女性たちや元・武力勢力に所属していた男性たちの語る声が、それぞれの思いや痛みが垣間見えることができ、この映画に大変感銘を受けました。改めて、この映画が製作されるまで携わられた関係者の皆様、勇気を持って話してくれたムクウェゲさん、コンゴ女性の方々や元・武力勢力に加担した男性の方々の最大限の敬意をここで示したいと思います。
続いてこの映画を通して、私自身が感動した点や考えさせられた点について記述したいと思います。地球環境・開発論を受講していますので開発や環境課題の観点から記述させて頂くと、自分たちの使用しているスマートフォンや電子機器の背景には「経済や資源の獲得のために、鈴などの希少鉱山資源を占拠する武装組織を基盤に齎される、”市民への支配や人々の苦しみ”」が存在することに、改めて心が痛みました。
さらにコンゴ民主共和国での武装勢力による性暴力は「性的欲求」によるものではなく、「人々を支配するための”屈辱と洗脳”の方法」であること、パンジ病院における法律相談所の中で「レイプを受けた妻を持つ夫にとって、”純粋ではなくなった”と言って関係悪化や離婚を招いてしまうこと」を聞いた際には、経済や貧困に限定されない、ジェンダー・セクシュアリティの課題も伴っていることに気付きました。
(中略)
最後になりますが、「”パンジ病院”のような性被害を受けた女性たちの”法律相談”や”就労支援”等のような施設」の思いに賛同したものの、私のような「男性」はどのように活動に参画・協力していくことができるのか」について関心が湧きました。具体的には、コンゴ民主共和国での「男性」たちはこの活動にどのように参画しているのか等について、現地でムクウェゲさんの活動に参画している男性たちの存在などについても関心が湧きました。
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